空の世界の共通語は残念ながら日本語ではなく英語です。
従ってパイロットには一定の英語力が求められることが昨今のグローバルスタンダードです。
「自家用操縦士だから…」といった言い訳は通用しません。

これは過去にパイロットの英語能力の低さが原因の一端となった事故が何件も発生したことを教訓
としてICAO(国際民間航空機関)がパイロットの英語能力について基準を設け、それに従って各国で「航空英語能力証明」という試験が実施されています。
日本の場合はこのICAOの基準に厳密に従った判定を実施していますが、国によってはICAO基準を厳密には満たしていこともあり、それは日本の航空英語能力証明の書き替えに反映されています。

※ 航空英語能力証明については別頁の 航空英語能力証明 をご参照ください。
※ 航空英語能力証明の書き替えについては別頁の 日本(JCAB)航空英語能力証明への書き替え 及び
  ブログ記事 航空英語能力証明の切替(書き替え) もご参照ください。

では実際にどの程度の英語力が必要なのでしょうか?

最低でもICAOレベル4の英語能力がパイロットとしては必要です。
レベル4未満の評価はすなわち不合格ということです。

EASA加盟国ではその国の言語または英語の言語能力がライセンス発給の条件となっています。
例えばポーランドCAA(民間航空局)よりEASAライセンスの発給を受ける場合はポーランド語または
英語の言語能力試験を受験し、また学科試験や実地試験もこのいずれかの言語により受験をする必要があります。
これはたとえ自家用操縦士であっても定期運送用操縦士であっても同じです。

ただしいずれのEASA加盟国でも日本語による試験は当然ですがありません。

日本国内でレジャー目的だけで飛びたいんですが…

一方で日本では日本国内のみを飛行する場合には航空英語能力証明は不要です。
英語は苦手、でも日本国内をレジャー目的で飛行したいので自家用操縦士免許が欲しいという方も
いらっしゃると思います。
どうすればいいでしょうか?
① 日本国内の学校に通う
② ゆるい国の学校に通う (英語や言語能力試験は不要)
③ ノンタワー空港がベースの海外の学校に通う
④ 頑張って英語力を伸ばし、どの空域でも飛べるようにする

もちろん個人の自由ですからどれをお選び頂いても構いません。

ただ厳しい意見かもしれませんが、個人的には②を選ぶのはいかがなものかと思います。
訓練にも学科試験にも実地試験にも四六時中、通訳さんがついているんですか?
そんな訓練生は未だかつてどこの国でも見たことがありません。
そもそも自家用操縦士免許取得前のソロフライトはどうするんでしょうか?
教官を横に乗せたら厳密にはソロではありませんし(例え何の手助けをしてくれないとしても)、教官ではなく通訳さん(乗客)を免許取得前に乗せるのは一般的には違法です。

③は確かに特に訓練初期には飛行機の操縦に集中し易いというメリットもあります。
ノンタワー空港の場合、基本的には無線で他のパイロットと通信しつつ操縦しますが、何度も何度もこちらが英語で言ってるのに相手が「What is your intention?」と繰り返し言ってきたら…………
どうしますか?
また無線機を積んでいない自家用機の発着もありますし、何よりATCの訓練もできません。
個人的にはデメリットのほうが多いような気がしますし、安全も100%担保されていません。

是非④の方法をお選び頂きたいと思います。

ICAOレベル4の英語力ってどの程度なの?

俗にいう英語ペラペラである必要はありません。
所詮は管制英語の試験です。
「案ずるより産むが易し」です。
なぜ受験する前からレベル4突破は無理だと決めつけるのでしょうか。
当校の訓練生でも普通に話しているとややたどたどしい英語であってもレベル4ということは多々
ありますし、訓練初期には管制に「Say again?」を連発していた訓練生でも実地試験までには
レベル4に合格するケースも何度も実際に見てきています。

どうぞ最初からレベル4突破は無理だとか思わないでください。

非英語圏の英語話者の懐の深さ

当校は非英語圏にある飛行学校ですが、基本的に外国人(ポーランド人以外)の訓練には英語を用いています。
もちろんイタリア人教官がイタリア人訓練生にイタリア語で何かを教えてたり、私(日本人)が日本語を使うこともあります。
またポーランド語の座学があるにも関わらず、ポーランド人が英語の座学を受けていたりします。

いわゆる英語ネイティブの英語しか話せない、従って訓練生も英語を話せてしかるべきだと考えている英語圏の人間は少しの発音やアクセントの違いで「Pardon?」と高圧的に聞き返したりする結果
こちらも萎縮、英語を使いたくなくなるといった悪循環は当校ではまずありません。

当校の教官にとって英語は第2・第3または第4外国語ですから、発音に対する許容量も大きく、変な言い回しも使わず、また相手がわからないのは自分の発音が悪いせいだと考える節があり、話して
いてストレスを感じることは皆無です。
もちろん片言レベルではなく流暢に英語を話しますが、3~4カ国語を操る彼らの言語面の懐の深さは大したものだといつも感心しています。

発音は教官によって差がありますが、これは移民国家たるアメリカ、カナダ、オーストラリア、NZといった国にも見られることですし、ネイティブに遜色のない教官もいます。

当校では

当校で訓練をご希望の方にはある程度の英語力を事前に要求させて頂いています。
これは当校が英語学校ではなく飛行学校であり、英語はあくまでも訓練のためのツールでしかないためです。

ただし「現状ではICAOレベル4を突破できる気はしないけれども、自家用操縦士の実地試験までには絶対突破してみせます」という気概のある方については当校も私もそのサポートは惜しみません。
まずは是非お問い合わせください。

覚えておいて頂きたいこと

外国でパイロット免許を取得するということは英語で座学を受け、飛行訓練の予習/復習はもとより
英語で書かれた教科書を読み、問題集に取り組み、学科試験と実地試験を受験、そして合格する
ということをこなすということです。
もちろん日本語に翻訳された教科書や問題集がある国もありますが、実際の試験は英語です。

マル秘の短縮ルートなどはありません。

もちろん当校には日本人教官の私がおりますので最大限サポートもさせて頂きますし、特に訓練初期には日本語も十二分に使用します。(それが日本人教官がいる学校を選択される最大のメリットです)

しかし一から十まで全て日本語というのはどこの国の飛行学校でも基本的には考えにくい話です。
簡単に取得できる免許にはその程度の効力しか持ち合わせていないものとお考えください。

せっかくお金も時間も費やすのであれば本物の飛行学校で本物の飛行教育を受け、世界最強のEASAライセンスを是非取得して頂きたいと考えています。